2016年02月15日

悪書は良書を駆逐する

全国チェーンを展開する大手古本屋に時々行く。

最近、横浜で岩波文庫、新潮文庫等の老舗書店の文庫本が並び始めている。「ソクラテスの弁明」「純粋理性批判」「罪と罰」「赤と黒」「唯心論」等、いずれも名著ばかりである。


書店の店員に聞くと、持ち主の方が高年齢で亡くなり遺族が整理した物が書店に出回っているという。どの本も少々色あせているが、大切に保管されていたのか、出版されて30年近く経っているのもかかわらず、私のようにヨレヨレでなく、凛としている。


国内外を問わず、古典的な名著ばかりである。そして、その名著を前に自分の読書数の少なさに唖然とする。名の知っている本が多いが3割程度しか読んでいない。自分は読書家であると自負していたが、自信喪失の状態である。


1108円、100冊買っても10800円にしかならない。

50冊ほど買い、書店の店員に尋ねる、このような教養が身につく、本は売れるでしょう。


「ぜんぜん、売れません、特に若人は見向きもしません。教科書に出てくるような本はみな難しく、つまらないと思っているようです。お客様のような中高年の方が、時々買っていかれますが、その方もこういう類いの本は肩が凝る、やはり、時代劇の本の方が売れます」という。


小保方晴子の「あの時」が25万部、酒薔薇聖斗の手記が80万部と言われている。

異常なことである。

posted by 牟田武生 at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック